2020年5月 大使からのメッセージ

駐ベトナム社会主義共和国

日本国特命全権大使
山田 滝雄

ベトナム日本商工会議所の皆様、こんにちは。4月12日に特命全権大使としてベトナムに着任した山田です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界中で入国制限が行われる中、ベトナム政府のご好意により、ほぼ予定どおりに着任させていただいたことに感謝しています。

近年、日越関係は目覚ましい発展を遂げています。現在、日本に在留するベトナム人は中国人、韓国人に次ぐ約40万人に達しており、近々2位になる勢いです。また、在ベトナム日本商工会議所3団体の加盟企業数は2018年には在タイ日本商工会議所加盟企業数を抜き、東南アジアで1位となりました。これは、様々なレベルで日越両国間に厚い信頼関係があることの現れです。

さらに、本年、ベトナムはASEAN議長国であるとともに、国連安保理非常任理事国でもあり、政治や安全保障の面においても重責を担い、世界の注目を浴びています。

このように、日本との二国間関係においても、国際場裏においても重要な役割を担っているベトナムに赴任することに、私は、とても大きな喜びを感じています。一方で、両国関係には依然大きな発展のポテンシャルがあると感じています。日本とベトナムが、「戦略的パートナーシップ」を深化していくべく、気を引き締めて頑張る所存です。

さて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、ベトナムを含むあらゆる国々に大きな影響を与えています。幸い、ベトナム政府の適切な感染拡大防止策によって、ベトナムでの感染者数の伸びは抑えられており、4月下旬から社会隔離措置の緩和が段階的に開始されました。ベトナム政府は、第二波を警戒しつつ、経済再生に舵を切ろうとしています。国際通貨基金(IMF)は、本年のベトナムのGDP成長率を2.7%と予測しましたが、5月中旬、フック首相は、5%成長を目指す旨表明しました。ベトナム経済の本格的な再生のため、私が、ベトナム政府要人への挨拶において述べている三つの処方箋をご紹介します。

一つ目は、日本企業の活動の正常化です。それには、日本人駐在員・家族・出張者のベトナムへの入国再開が必要です。もちろん、現時点においては、日本政府は、ベトナムについて感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)を出しており、慎重な対応をお願いしています。今後、渡航者の安全が確保されることを前提として、入国停止措置の段階的緩和、査証発給の再開、労働許可証の円滑な発給を働きかけていきます。

二つ目は、ODAの積極的な活用です。ここ数年、ODAで様々な課題が発生しましたが、ベトナム経済の再生のためにODAを含む公共事業は極めて有効であり、質の高い日本のODAはそれに力強く貢献できます。企業の皆様と連携し、全力を挙げて取り組んでいきます。
なお、PPPによるインフラ整備も重要です。PPP法案は5月の国会に提出されているようですが、事業者にとってユーザーフレンドリな法律となることを期待しています。

三つ目は、サプライチェーンの強靭化と多元化です。持続可能なサプライチェーンは、投資先としてのベトナムの魅力を一層高めます。日本企業がリードして、サプライチェーンの強靭化と多元化が図られるよう支援していきます。

最後になりますが、2023年、日本とベトナムは外交関係樹立50周年を迎えます。これに向けて、両国関係をより深く、特別なものへと発展させたいと考えています。

以上の取組を進める上で、商工会議所の皆様のご理解とご協力は不可欠であり、緊密な連携をお願いしたいと思います。

2020年5月